名古屋大学大学院 工学研究科 電子工学専攻 未来エレクトロニクス創造講座 プラズマエレクトロニクスグループ
豊田研究室
当研究室ではプラズマプロセス技術の開発と向上を進める研究を行なっています
■ 研究概要
◆ プラズマとは
物質の温度を上げて行くと、固体→液体→気体と相転移を起こし状態が変化します。 さらに温度が上昇した時、気体を構成する分子・原子同士の激しい衝突によって電離し、イオンと電子に分かれ運動する状態となります。これを、物質の第四の状態、プラズマと呼びます。
一方で、電極間に電圧を印可し、電子を加速させ高速で分子・原子に衝突させる仕組みを作ることで、低温のプラズマを人工的に作ることができます。
このような低温プラズマはイオン・電子の他に、分子が解離することにより発生した不対電子を持つ中性粒子(ラジカル)や浮遊原子を含んでいます。 ラジカル・原子は化学的に活性で反応性が高いために、プラズマは重要なツールとして工業的に幅広く利用されています。
半導体デバイス製造における薄膜堆積やエッチングによる微細加工、太陽電池や液晶ディスプレイの製造工程、材料表面の改質、汚染物質の除去など、プラズマの産業応用は多岐にわたります。 また、近年では医療や農業などの新しい分野へプラズマ技術を展開する研究も注目されています。
◆ 本研究室の研究テーマ
プラズマは低温で様々な化学反応を起こすことができるため、産業においては便利な道具である一方で、プロセス性能向上のために意図するプラズマを生成し、制御することは容易ではありません。
そのようなプラズマの生成、制御のためにはプラズマ内部と処理対象物表面における物理化学反応の理解が重要であるとともに、プロセスに最適なプラズマ装置が必要となります。
本研究室では、「革新的プラズマ源開発とその産業応用」 を目指し、これまでにないような世界でオンリーワンのオリジナルプラズマ装置を開発し、これらを産業応用に展開する研究を進めています。 また、いろいろなプラズマを使いこなすため、プラズマの中でおこっている目に見えないさまざまな現象を解明していく研究も進めています。
以下は現在おこなっている研究の一覧です。
半導体デバイスの微細加工技術
・ エッチング装置のプラズマ中粒子の挙動解析
高品質薄膜形成技術
・ 表面波プラズマを用いたプラズマCVDにおけるイオン衝撃の付与
大気圧での大面積表面処理プロセス
・ メートル長大気圧プラズマ源の開発と産業応用
流体中プラズマを用いた新規材料合成技術
・ 液中プラズマの新規材料創成への応用
核融合炉壁材料の探索
・ 金属材料の粒子吸収特性の調査