エピタキシャル薄膜用X線回折装置 (ATX-G, リガク社)

X線回折装置外観。


防X線カバー内部。中央部の黒い物質が測定試料。左がX線源で、 中央部の試料で回折されたX線を右側の検出器で測定している。
この装置を用いることで、作製した薄膜の結晶構造に関する 様々な情報を得ることが可能である。

波長が原子間隔と同程度(~10-10 m)のX線を物質に照射すると、 X線の入射角度に応じて、物質内部の原子配列を反映した回折X線が生じる。 この回折X線を測定・解析することで、物質の結晶構造や格子定数などの 様々な結晶学的情報を知ることができる。

特にこの装置では、X線の入射角度、検出器の角度に加えて、 試料の面内回転、検出器の面内回転と、全部で4軸の回転が可能な 4軸ゴニオメーターを持つ。この4軸ゴニオメーターによって、従来の 2軸ゴニオメータでは測定できない、試料表面に平行でない結晶面からの 回折X線の測定や試料面内方向の結晶配向性などを評価可能である。

また、逆格子マップ測定も可能であり、薄膜の歪みや格子定数の ばらつきなどを二次元強度マップとして観察することが出来る。

スペック
・X線種、線源: CuKα (波長 1.54 Å)、Cuローター
・定格電圧、電流値: 30 kV、500 mA
・ゴニオメータ: 4軸回転可能。(ω、2θ、φ、2θχ軸)
・光学系: - スリットコリメーション、
      - Ge(220) チャンネルモノクロメータ、
      - Ge(220) 4結晶モノクロメータ、
      - Ge(440) 4結晶モノクロメータ、
      - Ge(111) ビーム圧縮モノクロメータ



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