概要
小型ダイバータプラズマ模擬実験装置CDPS (Compact Divertor Plasma Simulator)は、名古屋大学、東北大学、核融合科学研究所の共同研究により開発され、茨城県大洗町の東北大学金属材料研究所附属量子エネルギー材料科学国際研究センターに設置されています。
核融合反応で生じる中性子が炉壁材料に衝突すると、材料中に傷(欠陥)を作ります。この欠陥には燃料である水素ガスが入り易く、炉内の燃料粒子バランスの制御が難しくなるため、中性子による欠陥の影響を調べることが重要になります。しかし、中性子照射された材料は放射化するため、放射線管理区域内でなければ取り扱いができません。そこで、大野研究室で培われたノウハウにより製作された小型プラズマ装置を管理区域内に持ち込み、2016年頃から運用を開始しました。
CDPSは昇温脱離ガス分析装置(TDS)と連結されており、プラズマ照射直後のガス分析が可能です。これらの環境が整っている実験装置は世界でもほとんど無く、核融合研究の最前線の一端を担っています。

主な研究内容
- プラズマ・中性子照射材相互作用研究
- 中性子照射損傷タングステン試料の重水素吸蔵に関する研究