磁性ガーネット膜の迷路磁区構造とバブル磁区(QuickTimeムービー)

 1967年代末から1980年代にかけて,バブルメモリの研究開発が盛んに行われた.バブルメモリは,磁性ガーネット膜のなかに生じるバブル磁区の存在の有無に"0"と"1"の情報を書き込む固体メモリである.これは,ハードディスクドライブ(HDD)のように機械的な可動部分がないため信頼性が高い,不揮発で電源を切っても記憶が保持できるなどの特長から大いに注目された.岩田は,1970年代末から磁性ガーネットにおける磁壁のダイナミクスについて研究を行った.
ここに示す動画(QuickTime Movie)は,磁性ガーネット膜を偏光顕微鏡でビデオカメラ撮影したもので,Movieの最初に迷路磁区構造が観察される.次いで,膜面に垂直方向,上向きに磁界が加えられると,上向きに磁化した磁区が広がり,磁界が十分強くなると膜は,すべて上向きに磁化し,磁区模様は見えなくなる.
上向きに磁界をいくらか加えた状態で,画面の上下に配置されたストリップラインに電流を流すと,電流の作る磁界によってストライプ磁区が切断され,さらに磁界を強めると円筒形のバブル磁区となる.
このバブル磁区に,ストリップラインにパルス電流を流して磁界勾配を加えると,バブル磁区は,磁界の弱くなる方向に移動する.Movieでは,電流の向きを切り替えて,バブル磁区を画面の上方向および下方向に転送している.